[Book Review]日本再生は、生産性向上しかない!(飛鳥新社)

投資とは直接的には関係はないのですが、日本の今後を考える上では非常に考えさせられるなかなかの良本だったため、紹介しようと思います。これをみてまだ日本株式に投資するか?と本気で考えた方が良いかもしれません。

昨今日本でもIoTAIが現場でも叫ばれるようになり、大企業を中心に生産性をあげようという声がだんだん高まって来たと思ってます。ただし、日本のGDPの7割はサービス業です。このサービス業の生産性を上げていかない限り日本の未来はないと思う。ところがこのサービス業の生産性が日本は著しく低い。著者によると先進国最低です。

のりぞー自身もこの生産性の低さは認識していたが、これを高めようとした時に、例えば日本らしいきめ細やかなサービス(おもてなし精神)が失われてしまうのでは?といった弊害ばかりを考えていた。

著者デービッド・アトキンソンは元ゴールドマンサックス日本法人のパートナーで、退職後小西美術工藝社という文化財修繕会社の社長をしているイギリス人。日本の素晴らしさを理解しつつこの本では日本の問題点に鋭く切り込んでいる。

彼は日本が奇跡的な経済成長を遂げたのは人口増加によるものだと結論づけている。もちろん勤勉な所や技術力があったかも知れないが、このような話も数値的な根拠を示しながら話をしているので納得せざるを得ない。

先ほどのおもてなし精神にしても、要約すると日本人の自己満足でしかない。今までは日本人1億2千万人を相手にしたサービスでよかったが、これからは違う。海外からのインバウンドをどう取り込むかが課題であり、海外からのインバウンド客からしてみたら、日本に来るのはおもてなしがあるから日本に来るわけではない

至極真っ当な意見である。

その他にも日本文化が世界で受け入れられているとマスコミは囃し立てるけど、実際には全くブームになっていないと述べ、その数値的根拠を見せられるとぐうの音も出ない。

ダーウィンの進化論にもあるように、変化に対応できる生物こそが生き残れるとはその通りで今の日本に必要なのは変化に柔軟に対応できることだ。

しかしながら現実は筆者も述べている通り、日本は性善説に立った事なかれ主義で変化を極端に嫌う。日本を良くしようという発言に過去の成功体験から強烈な文句を言う。

また、ルールに縛られるのも日本人の特徴だ。1人の意見をあたかも全体の意見のように禁止禁止なんでも禁止。音が出ない盆踊りなんてのもその極みだとバッサリ。

のりぞーも仕事柄色々な社外の方とお会いするのですが、基本的には変化を嫌うし、リスクを自分がとって自ら変革しようという考えの方は稀有で、二言目には他社はどうやっているのですか?マニュアルやテンプレートは無いんですか?ばかり聞かれます。

周りがやっていればやるけど、一番最初には成りたくない。

こんな文化だから法律一つ、憲法一つ変えられないのだと思う。憲法なんて誰もがおかしいの分かってて、変えようとしない。変えようとしないばかりか安倍政権を批判するために反対を唱える。これでは日本は変化に強い国家になり得ないと思う。

さて皆さんの会社は変化に柔軟だろうか。時代の変化とともに制度を都度見直して最高レベルの変革を常に実施しているような会社だろうか。

本書は問題点はザクっと切り込むがこと具体的な解決策は述べていない(大まかな方針は述べている)。でもそれで良いのではないかと思う。結局何か変えようと思ったら自分自身で考え、行動するしか無いのだから。

筆者も述べていたが日本人は論理的思考能力がやはり乏しいと思う。すぐにサンプルやマニュアルを欲しがって考えることから逃げている。言い換えればすぐに答えを欲しがる傾向にある。

徹底的に考え抜いて、過去の慣習にとらわれずに愚直に一つ一つ問題解決を図りながら生産性を極限まで高めていく。この事が日本再生のキーであると述べているし、のりぞーもそう思う。

もちろん全てが賛同できるわけではないし、GDP600億を達成するためには観光だ!と言い切ってるあたりも若干「?」であるが、『ここが変だよ日本人』よろしく外国人の目線で指摘しているのは色々感じるものがある。

これが現実として受け止め、ではどうするかを知恵だして考えるしかないのだろうなぁと思う。

この状態が2020まで続くようであればやはり日本に未来はないのではないかと。日本株を持っている人はよくよく考え直した方が良いのかもしれない。

のりぞー

よろしければ応援のポチお願いいたします にほんブログ村 株ブログ インデックス投資へにほんブログ村 株ブログ オフショア投資へ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です