ドルコスト平均法はもう古い?バリュー平均法とは(中級編)

のりぞーです。

前回バリュー平均法の紹介と簡単なシミュレーションを実施しました。

前回記事

ドルコスト平均法はもう古い?バリュー平均法とは(基礎編)

そこでメリット、デメリットも示しましたが、

バリュー平均法の方が効率的だと言われている中、計算がめんどくさい、価格下落時には大きな投資金額が必要などデメリットもあります。
本当にこれを実施するだけの価値があるのかを実データを持って検証したいと思います。

 

ケース1:セゾン・バンガード・グローバル・バランスファンド

ほったらかし投資の定番、セゾン・バンガード・GBFにて検証してみます。

検証前提

開設当初の2007年3月から毎月24日に積み立てたとして、2017年6月まで続けます。

  • ドルコスト平均法で毎月10,000円ずつ積み立て
  • バリュー平均法ではドルコスト平均法で達成する額を均等割りしたバリューパスで積立

検証結果

この結果がこちら

ドルコスト平均法は毎月10,000円ずつ購入、
購入金額:1,240,000円、利益:560,872円、評価金額:1,800,872円

バリュー平均法は評価金額が最終的にドルコスト平均法と同じ180万になるように14,523円毎月増額するようにバリューパスを設定、
購入金額:1,101,384円、利益:699,468円、評価金額:1,800,852円

ドルコスト平均法よりもバリュー平均法がアンダーパフォームする場面も見られるものの、多くの場面でバリュー平均法が有利に動いていることがわかります。

また、リターンを金額ではなく、率で見た場合は以下となり、ほぼ全期間においてバリュー平均法の方がパフォーマンスがよいという結果が得られました。

 

ケース2:ニッセイ日経225インデックスファンド

次に日経平均でシミュレーションしてみます。
これもセゾン・バンガード・グローバル・バランスファンドと同様、月額10,000円のドルコスト平均法と最終金額を均等割りしたバリューパスでの検証です。

こちらもバリュー平均法が圧勝ですね。

  • ドルコスト平均法
    購入金額:1,620,000円、利益:1,226,918円、評価金額:2,846,918円、リターン率:75.74%
  • バリュー平均法
    購入金額:993,114円、利益:1,853,874円、評価金額:2,846,988円、リターン率:186.67%

これだけみればバリュー平均法を採用しない理由はないような気がします。

ちょっと待って!本当にこれでいいの?

これでバリュー平均法バンザーイ!ってしていいの?ネットの記事はここまでしか出てこないのよ。

冷静に考えるとここまでのグラフには問題点があることに気がつきます。

1.積立金額に注意!

バリュー平均法のデメリットに下落局面では相当な追加投資が必要になるはなしをしました。一番激しいときの最高購入額はなんとそれぞれ

  1. セゾン・バンガード・グローバル・バランスファンド:111,469円
  2. ニッセイ日経225インデックスファンド:301,410円

となります。毎月10,000円ずつのドルコスト平均法との対比するレベルのバリュー平均法でこの金額です。

もし5倍、10倍の運用をしようとしたらどうなるでしょうか。月額の積み立てで150万~300万もスポット買いするのは現実的ではありません。

2.課税を加味していない

売却時の課税が加味されていません。運用期間が長くなってくると、運用次第で簡単にバリューパスを超えていきます。

かなり頻繁に売却が発生するため、これは無視できません。

そこで、セゾン・バンガード・グローバル・バランスファンドでバリューパス増額分の1.5倍まで(21,785円)の制限(キャップ)をかけた場合で、かつ売却益の20%分離課税かけた場合のリターンをシミュレーションしてみました。

な、なんとほぼドルコスト平均法と同じパフォーマンスではないですか。

これは一体どういうことなんだ。。殆どのケースでバリュー平均法がかなり上回るのではなかったのか。。

日経225でやってもあまりパフォーマンスがでないですね。

このバリュー平均法の連載開始時点では、バリュー平均法が優れてるじゃんやっぱ!!これどうやって効率的にやんの?

って流れに持っていきたかったのに、全然結果が違って困惑中(笑)

パフォーマンスを下げた原因は

思ったよりパフォーマンスがでないという結果に終わったのですが、何が原因かを考えてみましょう。

  1. 購入にキャップをかけたので、下落時の購入口数が少なくなった
  2. 売却がかなりの回数あり、それに伴う課税分が全体的に利益を押し下げた
  3. 運用期間が長くなってもバリューパスの増価額が定額であったため、バリューパスを超えることが頻発した

このうち1番はもうどうしようもないとして、2,3に対処するために、バリューパスを評価金額が超えていても売らないこと、バリューパスをリターン期待値5%で徐々に増えていくように設定し、再度シミュレーションしてみました。

対策を実施し、再度計算。ノーセルが非常に有効。

黄色のラインがそれになります。おぉ、課税前のラインに戻りましたね。(まぁ、当然なんですけど)
一番最初のバリュー平均法にアンダーパフォームしているのは、購入のキャップを設けたためと考えられます。

ここからわかることは、バリュー平均法はちゃんと考えて実施すればきっちりパフォーマンスが出ることが想定される。
ただし、多くのインデックス投資家が求めているであろうほったらかしでそこにパワーをかけないという姿は望めないかもしれません。

まとめ

ただし、時間をさける人であれば、きっちり計算したうえで、バリューパスを定め、それに従ってスポット購入することで、非常に有効だといえそうです。

どうでしょう?みなさんバリュー平均法やってみたくなりましたか?

ただ、何度もいいますが、かなりめんどくさい計算を必要としますので、実際にこれをやっていくのはなかなかつらいものがあるでしょう。

そこで最終の実線編ではのりぞーが実施しているハイブリッド型での運用方法をご紹介いたします。

のりぞー

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