本当はやりたくない?つみたてNISAに対する証券会社のホンネ

のりぞーです。

つみたてNISAの認知度が2割を切って、19.1%しかなかったとの記事が出ています。

参考「つみたて NISA」1 万人認知度調査の結果について

三菱UFJ国際投信の1万人に対する調査のようですが、母数がかなり多いので信憑性はあるのではないかと思います。

これを多いと見るか少ないと見るかですが、のりぞーは率直に言って「結構多いんじゃね?」って思いました。

そもそも2年前の調査でNISA 自体の認知度が5割程度でした。NISA は知らないけど、つみたてNISA は知っているって事は基本的にありえないので、NISAを知っている人の40%はつみたてNISAを理解しているということになります。

つみたてNISAに関しては各証券会社や金融機関からTVCMなどは全く打っていない状況です。その状況でこれなのでなかなか良いのではないかと思います。

さて、のりぞーの意見はともかく、一般的にはこの2割という数字、かなり低いものなのでしょう。なんでこんなに低いのでしょうか。で、これって結局は金融機関の本気度を素直に示しているのではないでしょうか。

本気でつみたてNISAを広めたい、顧客獲得したいと思うなら、もっとメディアに露出しないと認知度あげようがない。

バンバンCM打って、誰もがつみたてNISAを知ってるような状態になれば潮目が変わるのかもしれないですけど、でもそれをしていない。って事は結局どこも本気で取り組んでないって事ですよ。

なぜなんでしょう?簡単な計算をしてみるとちょっとその理由が見えてきます。

つみたてNISAの認知度20%で、その中の3%が実際に口座開設したとしましょう。

投資適齢期である25-65歳の人口は約6,000万人。

年間MAX40万ですけど、月1-2万という人もいるでしょうから多めにみて平均30万とします。

さらにつみたてNISAの信託報酬はインデックスファンド中心で、かつ今各社信託報酬の引き下げ合戦を繰り広げています。販売会社の報酬は平均年率0.1%程度でしょう。これを販売会社10社で取り合ったとしたら、、、

6,000万人×0.2×0.03×30万円×0.001÷10=1,080万円

驚きの数字じゃないですか。頑張って広告打ったとしてもつみたてNISAによる収益1,000万ですよ(初年度)。

しかもこの金額が純増分ならまだしも、半分以上は通常NISA からの切り替えでしょう。2年目、3年目は2倍、3倍になるので、20年後はそれなりの金額になっているだろうけど、直近数年は金額は微々たるもの。

つみたてNISAやりませんってのは企業イメージもあるからなかなか言えない。しかし、実際対応するにはシステム改修含め、億単位の金がかかる。広告なんて打つ余裕はない。本当はやりたくないけど、仕方がない、やるしかないというのが企業の本音じゃないでしょうかね。今結構投資ブログ等ではこのつみたてNISA盛り上がってるし、金融庁グッジョブ的な意見が多いけど、私はそうは思えないです。

結局お役所仕事で仕組みや制度を作っただけで運用は人任せじゃ何も変わらないのでは?日本人に対してどうやったら投資意識を植えつけられて、どうやったら長期投資が必要だということを教えられ、どうやったらつみたてNISAを契約してもらえるか、これをセットで考えなきゃいけないよね。証券会社だって慈善事業じゃないんだから儲からんもんはやらないよね。

制度作ったからあとはちゃんとやれやじゃ世の中は動かないわけで。正直このつみたてNISAを検討した時にどんな将来のビジョンを描いたのか。全く理解できないんだよなぁ。だから自分たちは何に貢献して、証券会社にどこでマネタイズさせて、というのもいまいちわからない。はっきり言って無責任といってもいいのでは?と思う。

日本の年金制度は崩壊することは目に見えているわけだからiDeCoとこの積立NISAを活用してもらって自分年金を国民に作ってもらう必要があるわけじゃないですか。じゃあどうするのってことでしょ。その枠組みはさ、国が作らなきゃ。証券会社に任せたってうまくいかないでしょ。

つみたてNISA自体は良い制度だと思うんだけど、このままでは金融庁の思惑とは異なり、一部のニッチな投資家だけが利用するサービスになってしまうのかも知れませんね。

のりぞー

よろしければ応援のポチお願いいたします にほんブログ村 株ブログ インデックス投資へにほんブログ村 株ブログ オフショア投資へ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です