ドルコスト平均法はもう古い?バリュー平均法とは(基礎編)

のりぞーです

インデックス投資家の多くはドルコスト平均法にて毎月同じ額を積立投資をして年一回リバランスを実施するスタイルであると思います。

しかし、多くの場合ドルコスト平均法はバリュー平均法にアンターパフォームすると言われています。

これって本当にそうなん?
ネット調べて見たけど、なんか理論ばかりで本当にそうなのか疑問が湧いてきました。
そこで!そんなバリュー平均法を基礎編で紹介するとともに中級編では実際にシミュレーションしてみてその優位性を確認したいと思います。
その上で、最後に実践編としてとしてどのように運用するのが良いかのりぞーが実施しているハイブリッド方式を紹介します。

積立投資の種類

積立投資といえばドルコスト平均法(定額積立)での積立投資をイメージされると思います。

多くの証券会社で積立を選択すると、ドルコスト平均法での積立が自動的に選択されるはずです。

ここでは再度ドルコスト平均法を振り返るとともに、バリュー平均法を紹介して行きたいと思います。

定口積立

ひとむかし前の積立はこの定口積立が基本だったと聞きます。その名の通り同じ口数を毎月積み立てていくやり方です。

同じ口数文だけ買っていくため、基準価格の上昇局面においては多くの金額を必要とすることと、毎月の購入金額が読みにくいというデメリットがありました。

ここでは毎月10口ずつ購入する例で見てみましょう

1ヶ月目 2ヶ月目 3ヶ月目 4ヶ月目 5ヶ月目
基準価格 10,000 12,500 10,000 7,500 10,000
購入口数 10 10 10 10 10
購入金額 100,000 125,000 100,000 75,000 100,000
購入口数(累積) 10 20 30 40 50
購入金額(累積) 100,000 225,000 325,000 400,000 500,000
評価金額 100,000 250,000 300,000 300,000 500,000
リターン 0 +25,000 +25,000 -100,000 0

このように購入する金額が毎月変動することがわかります。

ドルコスト平均法

さて次に皆様おなじみドルコスト平均法です。
この場合、同じ口数ではなく、同一金額を毎月積み立てていきます。
仮に毎月10万円ずつ積み立てていくケースで考えてみましょう。

1ヶ月目 2ヶ月目 3ヶ月目 4ヶ月目 5ヶ月目
基準価格 10,000 12,500 10,000 7,500 10,000
購入口数 10 8 10 13.3333 10
購入金額 100,000 100,000 100,000 100,000 100,000
購入口数(累積) 10 18 28 41.3333 51.3333
購入金額(累積) 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000
評価金額 100,000 225,000 280,000 310,000 513,333
リターン 0 +25,000 -20,000 -90,000 +13,333

同じ50万の投資でこちらは少しプラスが出ましたね。
これは価格の下落局面で沢山の口数を買えた文、その後の上昇で有利に働いたことがわかります。

このように定口購入よりも価格の下落局面で多くの口数が購入できることと、毎月の出費が計算しやすい事から積立投資を実施している投資家のほとんどはこちらの方式を採用していると思います。

バリュー平均法

さて、バリュー平均法とはそもそもなんでしょうか。
ドルコスト平均法が毎月の購入額を決めていたのに対し、バリュー平均法は毎月の評価金額にを設定します。この評価金額をバリューパスと呼びます。
バリューパスは平たくいうと、その月にこの金額になっていて欲しいなぁという期待値です。
バリューパスとの差額を毎回調整するように売り買いするのです。

バリューパスを10万円ずつ増えるように設定して試算してみましょう。

1ヶ月目 2ヶ月目 3ヶ月目 4ヶ月目 5ヶ月目
基準価格 10,000 12,500 10,000 7,500 10,000
バリューパス 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000
購入口数 10 6 14 23.3333 -3.3333
購入金額 100,000 75,000 140,000 175,000 -33,333
購入口数(累積) 10 16 30 53.3333 50
購入金額(累積) 100,000 175,000 315,000 490,000 490,000
評価金額 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000
リターン 0 +25,000 -15,000 -90,000 +43,333

ちょっと難しいので解説します。
1ヶ月目は基準価格10,000円に対してバリューパスが100,000円なので、
100,000/10,000=10口買い付けます。ここまでは他と変わりません。

さて、次の2ヶ月目は基準価格が12,500円にあがっています。この時のバリューパスが200,000円なので、トータルが200,000円になるように買い付けます。
つまり基準価格12,500円で200,000円するためには、
200,000/12,500=16口必要なことがわかります。
1ヶ月目ですでに10口買っているので、追加の購入分は6口、75,000円(12,500×6)となります。

4ヶ月までは同じように繰り返していきますが、5ヶ月目は基準価格10,000円でバリューパスが500,000なので、必要口数は50であることがわかります。しかし、4ヶ月目までですでに保有の口数が53.3333あるので、逆にこのケースでは3.3333口を売却します。
この売却益33,333円と購入金額と現在の評価金額との差10,000円を合算した43,333円がトータルのリターンとなり、上記2方式よりも多くの利益を生み出していることがわかります。
しかも投資金額は10,000円少なくて済んだという優等生ぶりです。

このケーススタディだけではなく、多くのケースでバリュー平均法がリターンに優れていることがわかっているとの事ですが果たして。。。

バリュー平均法のメリット・デメリット

これだけ書くといいことだらけのように思えてしまいますが、ちゃんとメリットデメリットを明確にして自分ルールにあっているかを確認しましょう。

バリュー平均法のメリット

多くのケースでドルコスト平均法をアウトパフォームすると言われています。どこかの教授も言ってました(笑)(実際のケーススタディは次回の中級編にて)

価格の下落局面で沢山購入し、上昇局面は行き過ぎ購入を控えることにより、購入の効率性がドルコスト平均法よりも高いといえます。

バリュー平均法のデメリット

バリュー平均法のデメリットはいくつかあります。

下落局面における追加投資が大きい

一番はこれでしょう。
上記のケーススタディでもわかる通り、3ヶ月目、4ヶ月目の下落局面において、バリューパスに乗せるために追加の投資をしなくてはなりません。

まだこのくらいなら許容範囲かもしれませんが、仮に1,000万溜まっている状況で、リーマンショック級の派手な下落が来て500万まで評価金額が減少した時には、ルールに従うと月々の積立に加えて500万もの追加投資をする必要があります。

正直現実的な数字ではないので、おそらく多くのバリュー平均法を採用している投資家は追加投資の上限を決めて実施しているものと思われます。

売却に伴う課税

運用が上手くいって、バリューパスを超えていた場合、一部売却を実施すると当然それに対して課税されるケースがあります。

複利効果を最大限に生かそうとした場合には効率が逆に悪くなる可能性があります。

めんどくさい。。。

ここまで読んでいただいた方も感じたかもしれませんが、かなり計算がめんどくさいです。かなり簡易的に書いたつもりですが、それでも理解しにくいのは確か。

おそらくこんなの毎月毎月やってられないと思うので、現実的には3ヶ月に一回もしくは、半年に一回での運用が適しているでしょう。

長期的に見れば、毎月購入と四半期に一回購入した場合とで、リターンは変わらないことは証明されています。

まとめ

バリュー平均法の基礎からメリット・デメリットを見て来ました。

メリットとしてはドルコスト平均法よりはあると言われていますが、かなりめんどくさい作業をやる必要があり、実際にこのリターンに見合うだけのメリットがあるのかが気になるところです。

次の中級編では、実際のデータを使ってどのくらいの違いが出るのか、本当にバリュー平均法が優れているのかを計算してみたいと思います。

のりぞー

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