昨年末の話ですが、楽天・バンガードシリーズに高配当株式が追加されるとのニュースが入って来ました。
通称「楽天VYM」と呼ばれることになるであろう商品になります。
VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)とは
バンガード・米国高配当株式ETF(以下VYM)とは米国籍株式の中でも高配当株と呼ばれる企業に対して投資を実施するETFで、「FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス」のパフォーマンスへの連動を目指したインデックスファンド。分類ではスマートベーター型と呼ばれるファンドになります。
参照バンガードHP
- ベンチマーク:FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス
- 経費率:0.08%(2018年1月6日現在)
- パフォーマンス(配当の再投資込)
- 設定来(年率):7.79%
- 10年(年率):7.37%
- 5年(年率):13.42%
- 3年(年率):10.28%
- モーニングスターレーティング:★★★★★
非常に安定していてさらにパフォーマンスも高いという万能選手です。ただし、配当を再投資することが前提なので、単純な価格だけで言えば大きく市場平均からアンダーパフォームします。
VYMとVOO(S&P500連動インデックス)との比較(5年)
投資スタイルとしては大型バリュー領域に属しており、構成銘柄は400程度。大型で安定企業中心で大きなボラティリティはないものの、配当性向が高い企業群で構成されており、安定的な長期運用が可能なETFというイメージです。
楽天・バンガード・高配当株式(楽天VYM)
楽天VYMはこのVYMに投資をする投資信託です。
図は楽天・全米株式インデックス・ファンドのケース
これまでの楽天・バンガードシリーズからすると信託報酬はETFの経費率+0.12%(税抜)なので0.20%になる見込。もちろんノーロード。積立NISAにも対応になるのでしょう。配当は出さずに運用する方針も変わらないでしょう。
投資対象としてどうか
さて、そんな楽天VYMはどういう人に向いているのでしょうか。高配当株式と言えども楽天VYMから配当は出ず自動的に再投資にまわってしまうので、配当目的ではもちろん買うべきではないでしょう。
ではパフォーマンスとしてどうか。先ほども言った通り、S&P500等の指数に比べると大きくアンダーパフォームしていますし、モーニングスターレーティング5つ星とは言え、同一カテゴリでそうなのであって、シャープレシオを見てもそれ程優秀とは言えません。また、多重課税問題もあります。
「高配当株式」を謳ってはいますが、めちゃくちゃ高い配当かというと実はそうでもなく、配当利回りは3%程度なので配当再投資でS&P500のパフォーマンスに肉薄できるかというとそこまででもありません(なぜならVOOの配当利回りも2%近くあります)。
したがって長期的に保持することを前提に、
- あまり高いボラティリティでリスクを取るのではなく、心穏やかに運用したい。
- 配当金は必要ない。
と言った人に向いている商品になります。ただし、VYMの特徴であるインカムゲインもキャピタルゲインも狙えると言った特徴は全く無くなりますので、個人的には楽天VYMである必要はないのではないかと思ったりしています。もしかするとこの商品は楽天VWO以上に苦戦するかもしれませんね。
のりぞー
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